東京都美術館で開催されている『没後50年 藤田嗣治展』に行きました。
藤田嗣治といえば『オカッパ/ちょび髭/メガネ』の外見と、『乳白色の絵肌』の絵画が思い浮かぶことでしょう。自分の外見のキャラと作風がそれぞれ個性的で有名なんて羨ましい限りです。しかし世界で活躍した日本人画家のわりに、展示を一堂に観る機会はほとんど無いように思います。
彼は明治19年に陸軍軍医の息子として生まれ、子どもの頃から浮世絵に親み、20代の頃、新妻を残してパリに留学。36歳で乳白色の絵画で一流画家の仲間入りになりました。そしてフランス国籍を取得し『レオナール・フジタ』に。こう描くと順調な画家生活のようですが、藤田は外国にいる間、戦争が起こります。彼は第一次大戦/第二次大戦と二つの大きな戦争を体験し、今展示でも『アッツ島玉砕』などの2mを越す巨大な戦争画を描いております。とても乳白色の女性を描いた人とは思えない強烈な印象を残す絵画でした。
ところで藤田は、パリだけでなくメキシコへも旅をして絵を描きました。この時に描いた絵もまさに『メキシコ!』といった色の濃いパンチの効いた絵画を制作。この時の旅は恋人のマドレーヌと行ってますね。ちなみに藤田は結婚離婚を繰り返してます。最後は君代さんと言う日本人の奥さんと結婚し絵画の中にも登場します。
今展示で印象的だった絵画は1910年代末に描かれた『二人の少女』と言うタイトルの絵画です。この少女たちは全く生気を感じられないんですね。目も虚ろで背景も洋服も地味で…ですが、これは乳白色へ向かうプロセスの絵画の一つだそう。初期の肌はとても貧相なのに、それから後、その白肌が美しく感じられるまでになるなんて、彼の乳白色を追求し続けた結果ですね。
ぜひ藤田嗣治の移り変わる絵画をご堪能ください!
お土産も可愛いです〜^^
没後50年 藤田嗣治展
期間:~2018年10月8日(月・祝)
時間:9:30~17:30(金曜20:00。入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜、9月18日(火)、25日(火)※9月17日(月・祝)24日(月・休)、10月1日(月)、8日(月・祝)は開室
場所:東京都美術館(上野公園)
東京都台東区上野公園8-36