江戸とアート発信ブログ

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1枚の浮世絵から情報を紐解く!江戸本を紹介します!

      2017/01/11

本日紹介する江戸本は『絵解き「江戸名所百美人」江戸美人の粋な暮らし』です!

こちらは、時代考証家の山田順子さんが書いてらっしゃいます。

内容としては,浮世絵師の3代歌川豊国(国貞)の「江戸名所百人美女」という美女シリーズを、それぞれの絵を詳しく解説しております。

 

構成はちょっと違うけど、イメージとして見開きの片面が、浮世絵美女。もう片面がその美女についての説明が書かれています。

 

や〜国貞の美人は、本当に美しくて、表情はもちろん、髷/着物/柄/アクセサリー/佇まい/女性のおおよその年齢などを描き分けているので、すごいです。それを百人描くとか!国貞先生!!!

 

江戸時代は、武家や町人、芸者などはもちろん風俗が違いました。
そういった現代では廃れてわからない部分をこの本は補ってくれるのです!
だから、描き手はこの本を持っていたらかなり便利だと思いますよ!

 

私は、女性や女性着物を描くのが苦手で「う〜;;;」といつも苦しんでいましたが、なんかこの本があれば参考書として超すいすいイケそう!と思うほどです。

 

なかなか解説書くとか超めんどくさいと思います。
それを百人分、著者は書いてくれたと思うと頭の下がります。


例えばこの女性!


本を参考にしますと、

長命寺の桜餅として有名な山本屋の娘、「おとよ」がこの絵のモデル。


髷は「つぶし島田」で、着物の柄は「味噌漉し」という味噌をこす時に使う道具のような目の格子柄。

左手の竹かごには、お土産用の桜餅が入っているんだそうな!


「おとよ」はこの浮世絵が発行される前年に、なんと、老中・阿部正弘の側室になったという!

正弘が、母へのお土産に山本屋へ桜餅を求めた際に、「おとよ」を見初めたらしい!すご!
でも、正弘にはライバルがいて(しかも御三卿の田安慶頼)なので思い切って側室に迎えたらしい。

阿部正弘の老中という役職も、将軍に直属するのでかなり身分が高いですが、御三卿は徳川御三家に次ぐ地位なので、阿部正弘の恋のライバルの方が身分が上なのです。

 

普通だったら、身分が上の人に取られそうですが、やったね!という感じです。
でも側室になった、翌年には阿部正弘は亡くなったようです…;;

 

阿部正弘は、私の大好きな江戸漫画「風雲児たち」にも重要パーソンとして登場するので、なんかホロりとしました。
この人、漫画では外国船が来たり国内をまとめたり、ジョン万次郎などの人材登用や、もう色々と仕事をしまくって、おそらく過労だと思いますが39歳で亡くなってるんですよ〜;;

 

こんな超多忙な人が、おとよに恋して側室に迎えるなんて、仕事もプライベートもハンパない凄さ!

1枚の浮世絵からいろんな情報を紐解けて、本当に素晴らしいです。おすすめです!

 

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